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外壁に大切な目地シール。こんな症状が出たらご用心

目地シール

住まいの外壁は、激しい雨や強い風。そして、夏の暑い日差しや太陽の紫外線から建物全体を守る大切な“盾”の役割を担っています。

外壁は建物が建って10年程度経つと劣化が始まるので、再塗装や張替え等のメンテナンスが必要になります。外壁の劣化を確認するときに、外壁本体の他にもよく確認してほしい部分があります。それは、外壁と外壁の継ぎ目「目地」のところです。実はこの目地は、外壁にとってとても重要な役割を果たしているのです。

一般的な住宅の外壁で、最も多く使われているのが窯業系サイディングボードです。ボードとボードの間やコーナー部分には目地があり、目地が痛んでいると外壁の劣化を早めてしまいます。

目地の大切な役割

外壁は、温度の上昇や湿度によって膨張し、乾燥によって収縮してしまいます。それが長年繰り返されることで外壁に歪みが生じてきます。目地を取らずに、隙間なく外壁同士が密着していると、外壁が膨張や収縮する時にひび割れや亀裂が生じてきます。

そのため、目地シールは外壁の緩衝材として変形調整のために目地を入れます。また、建物は地震や外環境の影響によって揺れることが多くあります。揺れで外壁が割れないように、目地シールはクッションの役割も果たしているのです。

目地に使われるシール材

目地に使われる材料の名前をここでは「シール材」と言っていますが、「コーキング材」と呼ぶこともあります。通称では、「あらかじめ形が決まっているもの」をシーリング材やシーリングと呼び、「チューブ容器に入って専用の押出機で施工する樹脂製のもの」をコーキング材やコーキングといいます。しかし、実際の現場においてはどちらも同じ意味として使われることが多く、厳密にはその分け方が決まっていません。

外壁の目地シールに使われるシール材には、いくつかの種類があります。主に以下の4種類の原料を使ったタイプが、外壁の種類に合わせてシーリング材として利用されています。

・ウレタン製・・・窯業系サイディング、ALCパネル

・シリコン製・・・ガラスまわりの目地

・変成シリコン製・・・窯業系サイディング、ALCパネル、コンクリート

・アクリル製・・・ALCパネル、塗装の下処理など

窯業用サイディングの外壁には、ウレタン製のシール材がよく利用されています。ウレタン製の特徴は耐久性が高く、施工して硬化すると弾力性と密着性が強くなるので、外壁の目地の他にもひび割れの補修にも利用されます。

デメリットとしては耐候性(屋外での自然環境に耐えうる性質)に弱く、紫外線に直接当たると劣化します。また、粘着性があるのでホコリなどを吸着しやすい点です。そのため、ウレタンのシール材で施工したら、塗装で保護する必要があります。

目地にこんな症状が現れたら要注意

シール材は年月が経つと劣化が始まります。一般的に、シール材のメンテナンス時期は10年と言われていますが、建物が建っている環境や周辺状況によってその年数は変わってきます。年数にかかわらず、次のような症状が見られる時には早めのメンテナンスを検討してください。

・シール材のひび割れ

シール材のひび割れは、経年劣化や地震などでの揺れによって起こる場合があります。また、シール材の表面にザラザラとした粉の様なものが浮いているときには、チョーキング現象という紫外線による劣化現象が起きています。

・シール材の破断

シール材の破断とは、ひび割れが広がり大きく真ん中から切れてしまっている状態です。シーリングの寿命や、施工時のプライマー(シール材を施工する前に塗る下塗り用の接着剤)の不足が原因です。

・シール材の肉やせ

シール材の厚みがなくなり、しぼんだ様になって隙間ができることです。原因はシール材に含まれる可塑剤(シール材を柔らかくする材料)が溶け出して起きてしまいます。隙間ができると、ここから雨や風が内部に侵入して雨漏りの原因となるので、早めの対処が必要です。

まとめ

外壁の劣化は目地部分から起こることもあり、シール材の異常を早めに見つけることが大切です。小さな劣化であればその上からシール材を打ち直す「重ね打ち」で対処することができます。目地シールも外壁も、おおよそ10年から15年がメンテナンスを行う時期になるので、同時に行えば別々に工事を行うよりも費用がかかりません。

住まいも人間と同じく、早め早めの診断が必要です。外壁の点検やメンテナンスは、症状が悪化する前に、早めに外壁工事に詳しいリフォーム業者に相談することをおすすめします。

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